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「たまたま 16号」

「たまたま 16号」(発行/たまたま本舗)

李美子さんの詩「わるい癖」。宛名を書き忘れても誰かわかるところや、手紙の差出人との想像上のやりとりから、おふたりの親密さが伺えて気持ちが温かくなります。富山直子さんの作品「ガールズ不協和音」は前作を上回る疾走です。走ってますねえ。
詩誌のちょうど中ほどのページに山岸光人さんの長いエッセイ「懐かしのメロディー ★松下育男さんの詩集を読んだ頃…」が掲載されていました。タイトルが軽めだったのもあり、さほど何とも思わずに読み始めました。けれど、読みすすめるうちに作者が長い間書かずにいたいくつかのできごと―70年代の社会や身近な人物の自死、活動していた人の生と死が堰を切ったように書かれていて、学生運動という言葉しか知らないわたしでも胸が熱くなりました。作者が70年代のことを想いながら書いたとされる詩「雑司が谷墓地まで」を一部紹介します。「あの橋をこえ 振り返ると/駆け抜けた十字路のあたりでキリンが燃えていた/股のあたりからくろいシミがながれだし/なにかをつかもうと 前脚をまさぐっていた/まさぐるさきに/ぽつんと/サバンナの石がころがっていた/それから きみ/清瀬の病院でなにをさがしていたの?/サバンナの石?/キリンの首?」
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プロフィール

name:
山村由紀
自己紹介:
●主な出版物
詩のアンソロジー『豊潤な孤独』
 (2008.01/草原詩社)
詩集『風を刈る人』
 (2006.06/空とぶキリン社)
詩集『記憶の鳥』
 (2001.07/空とぶキリン社)
●主な活動
個人詩誌「kanpinue」発行
詩誌「風箋」同人
同人誌「Lyric Jungle」編集委員
(詳しくはHPを見てください)
●記事にコメント欄がありません。
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