忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「if 23号」(大澤 都個人誌)

人は誰でも「外の世界」と「内の世界」を持っていて、その時々であらわれ方が変わるなあ、なんて考えたりするのですが、今号のifの作品はこれまでになく作者の「外の世界が」あらわれているようです。
詩「飲み会とレコーディングを南極で」。仲間との飲み会の活気ある時間のなかで、ふと相手をその場から切り離して見る、その一場面が印象に残りました。

歌うたいの絢子ちゃんはわたしを見るとき
近くのわたしでなくて遠くのわたしを見る (抜粋)
PR

「if 22号」(大澤 都個人誌)

詩「静かな家」。「わたし」と犬の「ちょび」とインコの「ぴぃちゃん」はそれぞれの体験や思いがあって、赤ちゃんの泣き声のしない静かな家に住んでいる。
この作品を読んで、はじめは閉じられた印象を受けたのですが、何度か読むと逆に開かれたように思えてきました。それは、この静かな家に住む者の心の平静が徐々に伝わってきたからかもしれません。
ロシアの人形劇『チェブラーシカ』の第一話にワニのゲーナが友達を募集してチェブラーシカに出会い、お互いの傷をわかりあって自分たちの居場所を作る場面を思い出しました。

ちょびは愛護センターで子どもに怖い思いをさせられたから
赤ちゃんの声がすると小屋に入ってしまいます 
(抜粋)

「if 21号」

「if 21号」(大澤 都個人誌)

6節に区切られた詩「神隠し」。はじめこの作品を読んだときは一瞬煙に巻かれた気がしました。意味が通じているようで、なのに読むことを拒否されているような。でも伝わるものがある、不思議な作品です。シュールレアリスムともまた違う感触です。童話によく似たストーリーのところでほっと一息つきました。大澤さんは夢のことを書くこともありますが、これは夢とも違うような気がします。


几帳面を投げ捨てて干した服は
冷えでいっそう頑なになる
おもしろ半分に村のこどもが部屋へ忍びこむ
うぉんうぉん
この世の温度をさらに冷たくするように
追いかける
           (「神隠し」抜粋)

「if no.19・20」

「if no.19・20」(発行/ちょびっと倶楽部出版)

大澤都さんの個人詩誌。20号かぁ。すごいなあ。詩「緊急検査」では、夢と現実の合間のような世界で、自分のつらさがどこにあるのか、と問うています。つらいから病院に来たのだけれど、つらさの原因がわからずうまく伝えられないつらさ、というものも確かにありますね。「夢を書くひと 木川陽子(三)」では詩「紫陽花」が取り上げられています。詩の背景が少し説明され、それを読むと作品の輪郭が際立ってきます。

「if no.18」

「if no.18」(発行/ちょびっと倶楽部出版)

「ifつれづれ」の洗面台にあこがれる話。わかるなあ。わたしがあこがれるのは、キッチンの水道で、ひっぱると中から蛇腹のようなホースが出てきて、蛇口がぐーんと伸びるやつです(説明がむつかしい~。わかります?)。何回引っ越してもあの水道に出会ったことがありません。あれだとシンクが洗いやすいだろうな。
「夢を書くひと 木川陽子Ⅱ」では木川さんの詩「塩の会」が掲載されていて、ああ、こういう作品を書く方だったんだなと確認ができました。

プロフィール

name:
山村由紀
自己紹介:
●主な出版物
詩のアンソロジー『豊潤な孤独』
 (2008.01/草原詩社)
詩集『風を刈る人』
 (2006.06/空とぶキリン社)
詩集『記憶の鳥』
 (2001.07/空とぶキリン社)
●主な活動
個人詩誌「kanpinue」発行
詩誌「風箋」同人
同人誌「Lyric Jungle」編集委員
(詳しくはHPを見てください)
●記事にコメント欄がありません。
ご感想などは下記のミニレターで
送っていただけるとありがたいです。↓
ミニレター

リンク

フリーエリア

バーコード