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「刺虫4号」(宇宿一成個人詩誌)

坂本真紀さんの詩「兆し」に、説明をばっさりと切り取る潔さを感じました。なかなか勇気がいるんですよね。他者にわかってもらいたい時、どうしても言葉を費やしたくなりますもの。氷点下にもなる真冬の部屋に置いてある鉢植えの南国の木、それを寝転がって見ているわたし。不自然な状況を当たり前とすることで蝕まれることを見つめています。

入り組んだかたい葉に
とりきれないカイガラムシ
濃いみどりはつやをなくして
フェニックスは
とっくに生きる力をなくしていた

気づいたときには、いつでも
ぜんぶが終わっていて

雨は
もう、ふっている
すこしかげったあおぞらの下
草もひとも濡れている
(作品後半)


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プロフィール

name:
山村由紀
自己紹介:
●主な出版物
詩のアンソロジー『豊潤な孤独』
 (2008.01/草原詩社)
詩集『風を刈る人』
 (2006.06/空とぶキリン社)
詩集『記憶の鳥』
 (2001.07/空とぶキリン社)
●主な活動
個人詩誌「kanpinue」発行
詩誌「風箋」同人
同人誌「Lyric Jungle」編集委員
(詳しくはHPを見てください)
●記事にコメント欄がありません。
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