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「愛虫たち VOL80」(発行人/江嶋みおう 編集/國中治)

岩木誠一郎さんの詩「余白の夜」。岩木さんの作品はますます静けさに包まれています。ビルのなくなったあとの空き地と詩の余白が対比されているようで、白く拡がる読後感です。

通り過ぎてきた土地の名を
声には出さずに呼んでみる
だれかの夢からはがれ落ちた
記憶のかけらにたどり着くために
一篇の詩を読み終えたあとの
余白にひっそりと立ち尽すために 
(抜粋)
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「榛名団 夏号(3号)」(編集発行者 富沢智)

六本木伸一さんの詩「〆切り間際」。思わず笑ってしまいました。〆切りに迫られて原稿用紙を埋めていく時の心境が赤裸々に書かれています。最終連のとおり、この手は今回しか使えないですね(笑)。

「書かないよりは良しとしよう」
〆切りを言い訳にして
今後も僕の悪あがきは続くだろう 
(抜粋)

「ひょうたん 47号」(発行所/ひょうたん倶楽部)

村野美優さんの詩「親知らずを抜いた日」。親知らずが抜けた跡を「竪穴式住居跡」と表現しているのにドキッとしました。確かにそうだわ。
そのあとの

わたしの中から
古代人が
歩み去っていった日 
(抜粋)

というのも面白いです。

「詩創 第29号」(編集/宇宿一成 発行/茂山忠茂)

田中秀人さんの詩「ある午後のデパートで」。賑やかなデパートで長年連れ添った妻からにじみ出る人のよさが、胸に残ります。こういう控えめな人をこのごろ見かけなくなったように思います。この作品が収められた詩集『セイタカアワダチソウ』は2011年度の南日本文学賞に選ばれたようです。おめでとうございます。

「榛名団 春号(2号)」(編集発行者 富沢智)

もう
いつのまにか
楽しい時代は終わっていた
 (抜粋)

一連目から直接的な表現で始まる富沢智さんの詩「落日」。
「もう」に続く「いつのまにか」でその思いの強さが伝わります。
たしかにそうだなあと。子ども時代のこと、平和な時代。
楽しさは過ぎてから楽しかったことに気がつくという矛盾をはらんだものだと思います。

プロフィール

name:
山村由紀
自己紹介:
●主な出版物
詩のアンソロジー『豊潤な孤独』
 (2008.01/草原詩社)
詩集『風を刈る人』
 (2006.06/空とぶキリン社)
詩集『記憶の鳥』
 (2001.07/空とぶキリン社)
●主な活動
個人詩誌「kanpinue」発行
詩誌「風箋」同人
同人誌「Lyric Jungle」編集委員
(詳しくはHPを見てください)
●記事にコメント欄がありません。
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